今回はカーボン調ラッピングシートで車のボンネットをラッピング施工させていただきました。
下地の表面研磨
今回は車のボンネットにカーボン調ラッピングシートをラッピングするのですが、貼り付ける下地を確認した所、クリアー塗装部分の剥がれが非常に目立ち、状態は非常に悪くボンネットの研磨処理からの作業となりました。
オービタルサンダーを使用となり、サンドペーパーは#400番位を使い研磨していきます。
材質がFRPでしたので、研磨も慎重に行わないとあっという間に研磨されてしまい、FRPの素地が出てきてしまいます。
カーボン調ラッピングシートの貼付け
今回使用したカーボン調ラッピングシートは、3M社から出されている3Mラップフィルム2080シリーズを使用。
やはりシート自体の品質もよく、特に糊面の品質は申し分ありません。
カーボン調もとてもリアルに再現されており安心してお客様に提供できます。
研磨が終わった後、表面のクリーニング、その後イージーラップという便利な液体を吹きかけます。
イージーラップはラッピングシートの初期粘着強度を抑え、ラッピングシートの貼り込み作業をしやすくする効果と、気泡の抜けを良くする効果があります。
ボンネットの形状に凹凸がありますので、凹凸部分は可能な限りラッピングシート自体にストレスをかけないように貼り込んでいきます。
カーボン調ラッピングシートの場合、シート自体にストレスをかけすぎるとカーボンの網目が歪んだり、伸びてしまったり、こんな症状が発生してしまいます。
また切り込み部分はカッター刃を使用出来ませんので、切り込みを入れたい部分はナイフレステープと呼ばれる糸で出来たカッターのような製品を使い、ボディーに刃の切り傷がつかないよう加工していきます。
パーツ部分の加工「ウォッシャ液ノズルまわり」
今回のボンネットにはウォッシャー液ノズルがあったため、この部分のラッピングシートの加工も必要になり、このようなパーツは研磨作業の前に予め外しておきます。
ラッピングシートの仕上げ作業
ラッピングシートの貼付け作業が完成したら、いよいよ仕上げの工程に進んでいきます。
ナイフレステープを入れ、不要になったラッピングシートは手際よく外していきます。
カッティングシートやカーラッピングシートなど、ポリ塩化ビニール素材はもともと固くて曲がっても元に戻る性質があります。
そのため可塑剤「かそざい」と言われる添加剤を加え、シート自体に柔軟性をもたせ、加工しやすいようにしています。
カーラッピングフィルムの場合特に、ある一定の温度を加える後処理を行わないと凹凸部分のラッピングフィルムは時間の経過に伴い元の形状に戻ろうとして剥がれてきてしまいます。
ある一定の温度をラッピングシートに加えることを「ポストヒーティング アニール処理」といいます。
家庭用などのドライヤーでは光熱がでませんので、ヒートガンという工具を使用します。
アニール処理で必要な温度はだいたい90度から100度ほど必要になるので、火傷に注意してください。
表面温度を測定するツールがあるのでそちらをご使用いただければと思います。
カーボン調のラッピングは特に腰がありますので、熱処理、シートのひっぱり具合に特に注意が必要になります。
しかし、仕上り具合はソリッドカラーと比べ格段に高級感がありますので、みなさんも是非カーボン調のラッピングシートを使い色々楽しんでみてはいかがでしょうか?
本日はカーボン調ラッピングシートを使い、ボンネットのイメージチェンジをしてみました。